バブアー Barbour 【国内正規品】 ／ 6オンスワックスドコットンショートブルゾン「SPEY（MWX1212）」（SAGE／ダークオリーブ）／ メンズ イギリス アウター ビジネス 3シーズン

英国カントリーライフスタイルを象徴する、130年の歴史を持つブランド

1894年、イギリス北東部の街サウスシールズにて創業し、5代にわたる家族経営を続ける「Barbour（バブアー）」。北海に面した気候の厳しい港町で働く港湾労働者のため、創業者のジョン・バブアーは、高密度コットンにワックスを染み込ませた革新的なアウターを開発しました。このワックスドクロス製のアウターは、その撥水性と防風性、そして耐久性により、サウスシールズの労働者たちに瞬く間に広がっていきます。

二度の世界大戦における英国軍への衣服の提供や、バイクレース用ウェアとして開発されたモーターサイクルジャケットのヒットを経て、1970年代には英国上流階級の装いを彩るブランドへと進化。ものづくりへの真摯な姿勢と製品の高い機能性が評価され、エディンバラ公、エリザベス女王陛下、ウェールズ皇太子のそれぞれから、3つあるロイヤルワラントの全てを授与され、英国を代表するアウトドア・ライフスタイルブランドとしてその名を不動のものとしました。

ボックスシルエットの着こなしに好相性なショートブルゾン「SPEY」

ファッションに興味がある方なら誰もが知っているであろう英国の名門“バブアー”。当店では初の登場となります。今さらな感じが強いですが、良いものは良い、ということで取り扱いをスタートすることにしました。英国調のクラシカルなイメージが強く、何となく敷居が高そうに思われるかもしれませんが、ドレススタイルに合わせればほどよくカジュアルダウンさせることができ、カジュアルなスタイルに合わせれば大人の休日コーディネートを格上げすることができるという、実は意外と使えるアイテムが多いです。英国調のアイテムで全身を固めたジェントルマンスタイルも格好いいですが、当店で展開しているイタリアブランドとミックスして、リラックス感があるのにさりげなく格調高さを感じる大人の着こなしを楽しむことができるのも魅力です。しかも、歴史を超えて愛されているブランドゆえに、流行遅れになるようなこともありません。定番のワックスドコットンシリーズはもちろん、シーズン毎のモデルや、アウター以外のアイテムなども展開していく予定ですので、どうぞお楽しみに。

ご紹介するのは、今の気分にマッチするショート丈が特徴の人気モデル「SPEY（スペイ）」になります。オリジナルのスペイがリリースされたのは、1980年代前半とされています。その後、一時的に生産を中止していましたが、数年前に新生スペイとしてアップデートされて復刻しました。スペイの名前はサーモンの漁場として知られるスペイ川を由来とし、フライフィッシング用のウェーディングジャケットとして開発されたというルーツがあります。じゃぶじゃぶと川に入って釣りをする際に裾が水に浸るのを避けるため、アウターとしては珍しいくらいのショート丈に設計されています。

そんなルーツを持つショート丈のスペイが、今どきのボックスシルエットの着こなしに好相性ということで、注目が集まっています。上半身がコンパクトに見えるため脚長効果があり、近年主流となっているワイドパンツやテーパードパンツとの相性もバツグン。ゆったりとした身幅はリラックス感があり、インナーを裾からのぞかせるレイヤードスタイルを楽しむこともできます。

右胸と左ポケット横に装着されたD環は、フライフィッシングの際に小道具を吊るすための装備となり、ウェーディングジャケットとしてのルーツを感じさせます。見た目からは分かりにくいですが、実は抜群の収納力を誇るということもポイント。身頃外側には左右に大きめのフラップポケットを装着し、胸の内側にも左右の胸ポケットと、身頃内側の左右に大型のポケットをそれぞれ装着。ちょっとした荷物であれば全部収納でき、バッグを持たずにお出掛けも可能です。その他にもひとつひとつのディテールに、時代を超えて愛される名作たる理由を感じます。すべて説明していくと長くなってしまうので箇条書きにして紹介させていただきます。

・ダブルジップとスナップボタンを重ねた二重構造のフロント
・手袋をしたままでも使用できるリング式のジッパー
・スコットランドにルーツがあるバブアー家の伝統の証、タータンチェックをあしらったコットン裏地
・英国カントリースタイルの雰囲気を醸し出すコーデュロイ生地の衿
・衿を立てて着用することを可能にする首元のチンストラップ
・腕を動かしやすいラグランスリーブ
・風をシャットアウトする袖口のスナップ式インナースリーブ
・内側にこもった湿気を逃がす脇下のベンチレーション

こういったような着用する人の心をくすぐる“仕掛け”が、数えきれないほど詰まっています。これほどまでに手の込んだ一着ながらも、昨今の円安トレンドという逆風に立ち向かうかのような国内代理店の決断により、かなり良心的な価格設定になっています。歴史あるバブアーを手に入れるいい機会ですので、是非ご検討ください。

ほどよくゆとりのあるボックスシルエットの「SL」

本商品のフィッティングは、「SL（スリムフィット）」になります。バブアーでは、一部の別注モデルを除き、モデルごとにフィッティングが決められており、本商品はスリムフィットのみの展開となります。スリムフィットといっても、その名前から連想されるような細身なつくりとは全く無縁の、ほどよくゆとりのあるボックスシルエットになります。気温が低い時期に厚みのあるインナーと合わせても大丈夫なようにゆとりを持って設計されているため、胸幅の寸法はいつものアウターよりも大きめに感じられると思います。対応するサイズを記載しておりますので、こちらを参考にサイズをお選びください。

これぞバブアー。一生物としてエイジングが楽しめる高密度ワックスドコットン

使用されている生地は、バブアーといえばお馴染みの「ワックスドコットン」です。厳選されたコットン素材から紡がれた細番手糸を高密度に打ち込んだ後、ワックスを染み込ませて優れた撥水性、耐久性、保温性を実現した、6オンスのワックスドコットンクロスになります。

100年以上の歴史を超えて愛されるバブアーを象徴する生地ですが、ワックスを染み込ませるゆえに生じる重さ、臭い、ベトつきなどが理由となって敬遠されている方も多いのではと思います。2006年に実施されたワックスの改良によって以前よりもベトつきが抑えられ、臭いも無臭になり、かなり使いやすくはなりましたが、通常の衣類よりも手が掛かることは間違いありません。どうしてもワックスが苦手という方のためにノンワックスのモデルもご用意してはいるものの、“真のバブアー”を求める方には、こちらのワックスドコットンのモデルをオススメします。

オススメの理由の一つは、ワックスを深く浸透させることによって生み出される、“重厚感”のある独特の風合い。鈍い光沢を湛えたワックスドコットンには唯一無二の存在感があり、そこはかとない男らしさと渋さ、無骨な雰囲気が漂います。ノンワックスのモデルも改良され、ワックスドコットンに近い質感が表現されてはいるものの、やはり本家ワックスドコットンの重厚感を他の素材で忠実に再現することは不可能です。もう一つの理由は、着込むにつれ風合いが変化して味が増し、世界で自分だけの一着を育てることができるという“エイジング”を楽しめること。ワックスドコットンと過ごした時間が生地に刻まれ、そのまま味わいとなります。

ワックスのベトつきも、保管するときに裏返しでハンガーに掛けたり、最初のうちは長時間の着用を避けたりと、少し気を付けるだけで徐々に収まり、１年くらい経過すればオイルが抜けてほとんど気にならなくなります。また、着始めた頃の風合いを取り戻したい場合、ワックスをもう一度塗り込む “リプルーフ”という方法が用意されています。オイルが抜けることにより防水性や耐久性も低下してしまいますが、リプルーフによって回復させることができます。（当店のバブアーは国内正規品のため、代理店が作成したお取り扱い方法が記載された小冊子が付属し、その中にリプルーフのご案内や問い合わせ先が記載されています）

“手が掛かる子供ほどかわいい”とよく言われますが、バブアーのワックスドコットンはまさにその例にあたります。タイパ重視、非効率や無駄を排除することに夢中な時代の流れに逆行するような、とにかく時間と手間を要する生地です。しかし、その手間ほどに価値があり、時間と共に深まる愛着と、体験者だけが知る特別な魅力を持っています。じっくりとエイジングを楽しみながら、一生物として育てていただければと思います。